育児について-親は教育者だという自覚を

アドラー心理学は非常にパワフルな心理学で他のどの心理学に比較しても全く遜色ありません。

しかしアドラー心理学はプロの間ではほとんど普及していません。ではどういう所でニーズが高いのか、というと圧倒的に育児や教育、といった領域での需要が最も高いでしょう。

つまり自分個人のカウンセリングなどよりも、自分の子供の育児や躾け、といった分野でのニーズが物凄く高いのです。

このHPでも紹介しているPassageはまさにそういうお母さん方のためのプログラムです。

 

アドラー心理学は育児を大切にしている

アドラー自身も育児や躾けということに対してとても真剣に向き合っていました。ドイツ国内で児童相談所を開設していたのも有名な話です。

なぜ育児や教育の問題が焦点なのか?それは健康な社会は健康な国民から成り立つと考えているからです。「健康な」というのは病気ではないことではありません。

健康であるとは、他者と協力し合いながら貢献的にふるまう意思と能力をもって世の中に居場所を得ていることを言います。

私たちはアドラー心理学が人生の唯一の答えだと主張するつもりは全くないのですが、極めて実際的な思想であることを知っています。

アドラー心理学によらなくても、一般に親は子に何らかの良いモラルを持って欲しいものだと願っているものでしょう。そしていろんなことをわかってもらおうとして折に触れて話をしているのではないかと思うのです。

 

何も教えないことが最も破壊的

ある中学校の相談室での出来事。

相談室でとある女子中学生と昼休みに雑談をしているときのこと。

その時友達を探しに相談室にやってきた男の子が扉を開けて入ってきたのはいいのですが、開けっ放しにしておくの部屋へと走りこんでいきました。

それを見て女の子が「ちゃんと閉めてけよ!」と彼の背中に叫びました。

私は自分が開けた戸は自分が閉めるは常識だと思っていますが、子供がたくさん集まっている場所にいるとこういう常識を身に着けている子ばかりではない、ということを思い知る機会がたくさんあります。この学校のある地域の子は比較的そういう子供たちの割合が多いような気がしていました。私の目に映る範囲だけなので実際のところはわかりませんが。

そして、目の前の女の子がちゃんと戸を閉めるように、というマナーを身に着けていることに興味をひかれたので尋ねてみました。

「ちゃんと戸を閉めるってこと、家の人に教わったの?」

彼女の答えは私の予想とは違っていました。

「小学生の時に先生から教わりました」

 

・・・・・・家庭で教わったわけではないようです。

 

子供は将来大人になり自分の居場所で役割を果たしながら人々と協力して生きていきます。子供時代はその時のための訓練をしている期間であると言えるでしょう。
その間に大人は彼らに多くのことを伝えていかなくてはなりません。

それは確かにかんたんなことではないと思います。伝えたいことも聞いてもらえない、など困難はたくさんあります。

しかし残念なことに最初から子供に良い躾けをしようと思っていない家庭が多々あります。

子供たちが誉められない行動をするとき、それは悪いことを学んだからではありません。適切なことを学んでいないからです。

良いことを教えていないのが最も問題なのです。

子供はご飯を挙げていればそこそこ育つでしょう。しかしそうしていれば勝手に学ぶ、ではあまりに無責任です。何を学んでもらうか、は大事なことです。子供をきちんと躾けるのが自分の役割であることを忘れてしまっては何にもなりません。

学校には教科教育をしてもらうのだと割り切って、子供の「徳」をはぐくむのは家庭なのだと思いましょう。

親の振る舞いを見ていて勝手に学ぶことも多いでしょう。

しかし意識して子供のマナーを伸ばそうと働きかけた家庭とそうではない家庭では子供の振る舞いは全く違います。

・戸を開けたら閉める

・ゴミが落ちていたら自分のではなくても拾う

・電車の中で老人には席を譲る

・横断歩道で車が止まってくれたら会釈する

こういうマナーはきちんと意識して教える価値のあることです。

またこういうマナーをできていない人ができている人が区別されるのは仕方がないことなのです。

まず自分は子供をちゃんと教育する役割があることを自覚するところから始めましょう。

 

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