対人関の心理学-アドラー心理学の対人関係論-

問題は「こころ」の外側にこそあり

 

一般的には人が何か精神的に困難な状況を迎えたら、その人の過去の経験した出来事などに原因を求めることが一般的ではないかと思います。
多くの心理学は個人の内面世界の法則を解き明かそうとして個人の行動をそこから説明しようとするのです。ですが残念なことにそれほどうまくいっていないように思います。

アドラー心理学は正式には個人心理学と訳されています。この語感は日本語では誤解を招く印象しか与えません。アドラー心理学は対人関係のあり方に注目する心理学だからです。この個人心理学という言葉の意味は他で詳しくお話ししたのでここでは繰り返すことはやめにします。

ではアドラー心理学ではコミュニケーションの問題をどのように理解するのでしょうか。

アドラー心理学では個人の行動は周囲の人間関係の中に個人を位置づけ、その社会的な文脈を読み解くことによって理解できるようになるのだと考えます。

精神の中身を探らなくても問題は解決できる

深層心理学と言われる領域が存在します。

人の無意識を扱う臨床心理学のジャンルであり、マスコミ的にも面白おかしく取り上げられやすい分野ではないかと思います。それだけミステリアスで多くの人の興味や関心を引き付けるものがあるのではないでしょうか。

元々これは当たり前ですが人を楽しませるためのものではなく、臨床的な効果を狙って開発されたものなわけです。

自分でも伺い知ることのできない心の奥底について知る、というのはもっともらしく好奇心が刺激されます。他ならない自分のことですし、それを知ることによってより良く人生をコントロールすることができるのではないか、との期待を高めてくれます。
また、無意識的な世界を扱う、という題目が本当だとするならば根本的な解決をもたらしてくれそうな印象すら無いではないでしょう。

しかし以前の記事にも書きましたように、コミュニケーションを改善するなら行動を変える工夫をするのが手っ取り早いのです。つまり時間的にも費用的にも経済的です。

またどれほどもっともらしくても、確かめられない領域についての分析ですから、そこで得られた知見の正しさを証明するのは困難です。もう一度言います。どれほどもっともらしくても。正しいかどうかわからなくても現在の相談内容が改善されるならそれでよいでしょう。でも多くの深層心理学は人を支援する力もそれほど強くはなさそうに思えるのです。

無意識だろうと、表層意識だろうと、これらは心の中の話です。

しかし上述したようにこころの中身を扱わなくても多くの問題は解決することが知られています。そのことについてお話ししてみましょう。

多くの問題は個人と個人の間にあり

一般に個人の行動の問題はこころの中の何かが悪さをしている、というように考えられているのではないかと思います。

慢性的に困った、と思うコミュニケーションはある人との関係の中で繰り返されています。生活の中である人との間で良かれと思ってしたことが人を怒らせたり、悲しませたりすることがあるのです。しかし困っている人は他の人との関係でも同じような行動をしているのに問題になりません。他人事にツボが違うのですから当然です。

そうすると関係を変えたいと思うなら工夫すべきはこころの中を点検するよりはちょっとしたことに気づき、それによって行動を工夫すれば良いことになります。

なにも大層な分析をするまでもありません。

この記事を読んだ人の中には「誰とでもうまくいかない場合はそうするのだ」と考える人もいるかもしれません。

アドラー心理学は決して心の内側を扱うことを否定していません。ただ難しい介入をしなくて対人関係済むならあらゆる経済性を考えて技法を選択するべきだと考えるのです。

アドラー派の心理学も無意識を扱います。多くの場合アドラー心理学を深層心理学、行動心理学、人間主義心理学の3分類に当てはめると人間主義心理学に分類されることが多いです。しかし人間の無意識を扱うのが深層心理学であるとするならば、アドラー派は深層心理学と言って良い側面があるのです。

側面というのはそれがすべてだというわけではないからです。

無意識も扱えばコミュニケーションも扱える

個人も扱えば対人関係・家族もあつかえる

カウンセリングはもちろん心理療法もカバーする

これだけ広いすそ野を持っている点が私がアドラー心理学に感じる魅力の一つとなっています。

すごい事だと思いませんか?

 

 

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