大人と子供の知能検査とカウンセリング

神経心理学テスト

このページでは知能検査神経心理検査を活用して行うカウンセリングについてご案内しています。特に神経心理検査は一般的なカウンセリングルームでは期待できない検査です。柏市内で神経心理検査が最も充実している自負があります。

 

高次神経機能の働きを評価

 知的機能、注意機能、記憶機能、実行(遂行)機能など脳の神経発達に由来する高次の働きに何らかのつまづきがあった場合、社会とのかかわりを見直すうえでその機能障害がどんな種類のものがどの程度存在するのか、が明かにされなくてはなりません。

 これらの問題は性格によるものではなく、生まれつきの脳の神経機能の偏りに由来する者であり、治療ではなく教育や訓練を効果的に行い、将来設計を行うことが重要となります。

 これらの機能の困難さは程度の問題であり、今後障害者として生活するか偏りのある定型発達者として活動していくか、を評価しなくてはならないからです。これはもちろん検査だけで決定できるものではありません。しかし重要な参考になるものであることは間違いありません。また、この領域に詳しくない医師は珍しくありません。その場合にも医師に現在感じている困難さがどのようなものであるかを認識してもらう上でも神経心理検査の結果を客観的な指標として役立ててもらうことが期待されます。

 

「仕事や勉強でつまづいてしまう、指示通りにできない、わからない」を見える化して相談できる

 人は様々な能力を持ち、それらを活用することで環境との間に相互作用を持っていますが、それが何故だかうまくいかない、みんなと同じようには進まない、このようなことに悩まれる方がいます。

 人の能力には個人差があって当然ですが、その個人差が大きければ、ある場面では特に弱い力があらわになって、極端な苦手さを発揮してしまうことがあるかもしれません。場合によってはそのために職場での評価を落としたり、進退に影響することもあり得ます。

 このような状態には何らかの傷病名がつくこともありますし、そこまでいかなくても個人の特徴として著しい得意さ不得意さの能力面での偏りがあることが明らかになるかもしれません。

 もし自分の特徴をよく理解し、それを織り込んで活動領域を選び、今後の計画に反映させることができれば、これまで見逃してきた弱点をカバーすることへつながります。

 自分についての知識を増やし、その特徴に応じた将来を考えるお手伝いをする、それがこの相談の目的なのです。たとえば、

 

「神経発達障害」ご存知ですか?

アスペルガー、自閉症、ADHD、などの言葉を聞いたことがあるかもしれません。
これらは発達障害、軽度発達障害、広汎性発達障害、自閉症スペクトラムなどと呼ばれてきた障害群に着けられた名前です。そして現在では「神経発達障害」という名称になっています。能力の極端な偏りを生じさせる理由の代表格です。

 

見過ごされがちな神経発達障害「学習障害」‐子供の場合‐

 小学校などでは児童に著しい行動の偏りがあり、発達障害ではないか、と考えた時になんとしようという動きがおこります。多くの場合はスムーズな授業を行うのに支障があったり、極端な対人的問題があったりなど、管理上も職員が問題と感じることが多くなり、問題意識を強く持たざるを得ないからです。

 しかし学習障害のある児童はコミュニケーションの問題や学習活動への集中にも問題がありません。ただ作文・感想文が書けない、高学年になっても平仮名ばかり使いたがる、教科書を読むのがたどたどしい、はい・いいえで答らられない質問を受けると固まる、などはあっても周りの人は直接困ることはありません。

 そうすると、ちょっと変わったところがある、個性の範囲、などと考えられてそれ以上の精査を受けずに済まされることが多いのです。

 保護者も子供が何らかの障害とは思いたくはありませんから、見過ごされたまま、気づかれぬまま成長し、会社に入ってからみんなができるような仕事ができない自分に直面し、上司に何度も注意され、職場で肩身を狭くせざるを得ない、などのことが多々起こるのです。

 また、やはり校内で学習障害などから教室への不適応を起こし、教室から飛び出す、などの振る舞いをする子供もいます。座っていられないからADHD、などの評価をされてしまい、やはり本人の感じている学習障害からくる苦しさに気が付いてもらえないことがあります。この場合の不適応行動は二次障害と考えるべきもので、児童を支援する上で最も大切な本人の学習障害なのです。

 

職場での不適応‐大人の場合‐

 何かがおかしい、と感じて自分で調べても自閉症ともADHDとも思えない。インターネットでうつ病の簡易チェックをやってみたら受診を勧める画面が出てきた。精神科のクリニックを受診したところ適応障害といわれたが何か大事な所が手つかずのままでいるような気がする・・・

 このように評価が中途半端なまま治療やリハビリテーションを受けて居る方がたくさんいます。知能検査も受けたりするのですが、ここが低い、弱い、という指摘を受けるのみ。果たしてこれはいったいどのような状態なのか。

 大人の場合、精神科を受診することもあるでしょう。しかし精神科の医師はあまりこのような状況に詳しくないことが多いようです。頭に大きなけがをして認知機能に故障が生じた場合は高次脳機能障害として気が付かれるのですが学習障害は生まれつきのものとなるので患者の訴える症状の背景に生来的な脳機能の偏りがあることに気が付いてもらえないことが多々あります。一般的な精神科医はあまり詳しくない領域なのです。当オフィスにもこのような経験をして相談を希望される方も実際にいらっしゃいます。

学習障害(Learning Disorder:LD)とは

 学習障害とは神経の発達に先天的な障害があると考えられ「読み」「書き」「計算」に加えて「聞く」「話す」「推論する」といった全体的な知的な低さという理由からは説明できない認知機能の弱さを特徴としています。

 全体的知能には問題がないので一見問題が無さそうに見えて、ある領域で必要とされる能力が極端に発達していないのです。

 脳に外傷、病変、変質を受けて起こった機能不全の場合、高次脳障害と診断されますが、生得的な神経発達の影響により、ある特定の機能が不十分な発達しか示していないという点で区別されます。

 そしてある課題が苦手であるだけではなく、その後ある作業ができない、そのことで集団の中での評価が下がる、肩身が狭く自己評価が低下する、など生活面での影響が著しくなることが多いようです。

 

知能検査・WAIS/WISCをやってはみたが

 ある能力が極端に苦手である場合、知能の発達を調べるために知能検査の提案をされることがあります。
 精神科や子供の場合は教育委員会の設置した教育センターなどで発達障害を疑われて知能検査を受けることがあるかもしれません。教育センターは医療機関ではないので検査をしても診断名が告げられる訳ではないのですが、知的能力の特徴を把握することはできるので実施されることが多いのです。

 国内ではこのような場合最も利用されるのが大人用はWAIS,子供用はWISC,WIPPSYという検査を行うことが多いのです。この検査は知能をいくつかの側面に分けて評価することができるので検査を受けた人の不得意な領域を絞り込むことができるため好んで活用されているのです。

 知能検査は決して発達障害の確定診断のできるものではありません。しかし自閉症を始め神経発達障害者は知的な内容が偏っていることが多いとされているため、参考資料の1つとして行われます。

 しかし多くの場合「言葉の力が弱い」「一度にたくさんのことが覚えられないので指示は一つずつ与えましょう」程度の指摘にとどまることが多いように思います。不得意さの確認とそれにどう対処するか、というアドバイスどまりでこのような状態の人が人生の中で抱える様々な事柄に対してどのように対処していくか、という見通しをもった相談になる場合は多くはないでしょう。

 検査の結果を受けて正確に学習障害という診断に結び付き、医療としての診断を超えて自己管理に必要な情報が与えられたり、今後の人生をどのようにマネージメントしたり、という部分の相談はおろそかになっていることが多い印象を受けます。

 WAIS/WISCをやってお終いとするのではなく、より詳しい神経心理学的検査を行い、どのようなタイプの認知機能の弱さがあるのかより詳細な評価を行い、リハビリの可能性や対処、学業や職業、今後の生活の見通しについて考えていかなくてはならないことだと思います。

 多くの場合臨床心理士や公認心理師は神経心理学的検査や脳機能障害の知識があまり豊かではなく、WAIS/WISCやKABCなどの知能検査など自分の理解できる範囲で問題を認識していることや一般の精神科医はうつ病や統合失調症などに詳しく、神経発達障害の中でも自閉症やADHDについては経験が増えてきているとはいえ、学習障害という観点から患者をみるという認識が十分ではないこと、教育や福祉領域での問題に詳しくないこと、などが影響していると思われます。

 

自分について知り環境について知り自分の居場所を考えることが大切

 認知機能の未発達が学習障害によるものであれ、それ以外のものであれ以下ことが重要であると当オフィスでは考えております。

 認知機能の機能の未発達の内容や年齢によっては特定の訓練を重ねることによって機能の発達を促すことができることがあります。その場合も平均的水準に達するかと問われると難しいと考えます。

 評価すべきことは教育、医療、福祉の助けの必要性と今後の社会参加を考える上でどのようにしていくか、ではないでしょうか。

 もし神経発達による認知機能の偏りであるならば、それはその人の特徴であり、病気ではありません。つまり治すことによって機能の回復を図るという種類の課題ではありません。ですから自分の得意不得意をよく知り、今後の選択の参考にすることが重要となるのです。

 

「大人と子供の知能検査とカウンセリング」の特徴

  当オフィスではこれらの状況を踏まえ、以下のように取り組んで参ります。

 一般の精神科、相談所、スクールカウンセラーでは取扱いの無い専門的な検査を複数用意し、組み合わせて評価を行う。
 知能・認知機能から環境への適応状況について評価を行う。
 ご自身の状況についてわかりやすく説明し、自身の特徴を把握できるよう支援する。
 これからの進路や計画を現実的、合理的、客観的に考える手伝いを行う。

  • 1,2の面接を通じてどのような状況なのか、どのような課題があるのかについて評価をいたします。
  • 仮説を立て、それを明らかにするべく相応しい知能検査、神経心理学検査を提案いたします。
  • 後ほど報告書作成と内容の説明を行います。
  • 結果をもとに今後の生活について相談を行います。社会資源の紹介を行う場合があります。
  • 医療行為ではございません。診断名をこちらでつけることはできません。しかし医療機関を受診し、正確な診療を促すためにこちらの報告書を持参して参考にしていただくことは十分可能です。

※他機関で行った検査結果をお持ちの方はお持ちください。
※療育手帳の取得予定のある方は事前にお伝えください。

 

 個々の用語についてはそれぞれのページをご覧ください。

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関連項目

知能検査についての簡単な解説
WAIS/WISC検査概要
神経心理検査について
注意障害・記憶障害・実行(遂行)機能障害

 

執筆中

学習障害とは 高次脳機能障害との違い

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