子供をカウンセラーに会わせてもしょうがないことは多い
子供のすることで困り果てた親が子供をカウンセラーのところに連れてくる、ということがあります。
学校でもやはり子供をカウンセラーに会わせて話をさせよう、と連れてくることがあります。
カウンセラーは子供のカウンセリングだってもちろんするのです。
しかしそれは子供にニーズがあるからカウンセリングが成り立つのですが、上記のような場合、ニーズがあるのは大人であって子供は行けと言われたから来たけれど、本当は相談なんてしたくない、ということになります。
教育センターなどで行われるカウンセリングの殆どはこんなものでしょう。
子供に相談する意思がないので雑談に終始したりプレイセラピーと言って遊んでみたり箱庭療法といって砂の上に人形を並べたり、ということになるわけです。
以前こんなことがありました。
内容は守秘義務に基づいて改変してあります。
子供:クラスのA君がすっごく意地悪で自分が何もしてないのに睨み付けたり、失敗したときに嫌味を言ってくるのがすごく困ってる。
私:最近はどんなことがあったの?
子供:昨日クラスで係を決めるときに僕が立候補したらわざと〇〇〇〇
しかし、周りの客観的な観察では彼は被害者ではなく加害者でした。しかも一方的な。
この子はずっとこのスタンスで話をするでしょう。
こんな相談は全く意味がありません。
カウンセラーと話している間にそのうち子供が正直に話始める、とか自分のやっていることに気が付いて反省する、とか考えている人は多いと思いますが、そんな不確かな期待に基づく相談は私たちはカウンセリングだと思っていません。
周りはこの子の問題を何とかしたくてカウンセラーのところに連れてくるのですが、カウンセラーは癒しの波動で相談者にヒーリングしている訳ではありません。
カウンセリングは作戦会議であり、課題を解決するためにカウンセラーと相談者はそれぞれ違う責任を負っていますが、その中にはクライアントが課題解決の意思をもって誠実に話す、という条件が必要です。
連れてこられた子供にはそんな条件が整っていません。
このような場合必要なのは傍にいる大人が子供を躾ける、処遇する能力を手に入れることです。
子供のことで困っていて子供に相談の意思がないなら、まず困っている大人が自分の問題であることを自覚して相談活動を開始しましょう。
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