別れる際のカウンセリング
夫婦カウンセリングは通常、夫婦関係を再建するために行われるものです。
しかし夫婦カウンセリングの中で離婚を前提にした相談もあり得まして、その場合を特に離婚カウンセリングと呼ぶことがあります。
夫婦関係を改善するためにカウンセリングとはよく聞く話ではないだろうかと思います。自分たち独力では上手く夫婦関係を好転させられない、と思い専門家からアドバイスを受けることに価値を見出して、そのために面接するのはわかり易い話だと思うのです。
しかし一方でお互いに嫌になったから離婚する、の場合は別れれば済むことは誰にでも明らかなのに、なぜそこにカウンセリングが必要なのかわかりづらいのではないかと思います。
夫婦関係の終わり方をより良くするために
夫婦が別れることになった焦点がどこにあるのかによっても異なり、個別に語りつくせることばかりではありません。
そのため夫婦カウンセリングや離婚カウンセリングについてお話しする場合、共通点について語る際にはとても大雑把ことしか言えませんが、ここで少し触れてみたいと思います。
親子関係を扱う際にお伝えさせていただくことが多いのですが、子供を躾けるのに感情的になる必要は全くありません、とお話ししています。
夫婦関係のトラブルを扱うのも全く同じ理屈が通用します。
離婚に至る夫婦は別れるという結論を出すまでの間に多くの場合、関係が悪化して互いに感情的になっていることが多いものです。しかし離婚にともなって処理しなくてはならないのはお互いの感情の問題のほかにも様々な法的な手続きが必要です。財産の処理、親権や養育権に面接権、慰謝料が発生するかしないのか。
相談で解決できるのならば良いのですが、折り合わなければ法律の出番になります。しかし法律で白黒つけられるのであればたとえ利害が対立していても相手を感情的になって攻撃する必要はありません。互いの望んでいることを法的に処理してもらえば良いだけなので感情的に相手を攻撃するほど自分が有利になるわけでも何でもありません。
また二人の間に子供がいて面会することができたとして、例え離婚したとはいえ両親が憎しみ合っている夫婦と別れたけれども相手のことを尊重している夫婦と子供にとってどちらが良いか、互いにとってもどちらが良いのか。
離婚カウンセリングという言葉でインターネットを検索すると多くの場合、法律をめぐる相談についてのアドバイスを提供することを標榜しているようです。しかし上述しましたように離婚するのだからただ別れてしまえばよい、という乱暴な話ではないことがお分かりいただけるでしょうか。
法律的な知識はもちろん必要です。しかしただ法的に自分が有利な条件を手に入れるためには、ということ以外にも考えて良いことはあるのです。
離婚の形態
離婚をするにしてどのように話を決着させるのかにはいくつかの形があります。
協議離婚 夫婦が話し合ってお互いが合意に至る形での離婚であり、他の人からの援助を必要としない離婚です。多くの離婚がこの形をとるようで、一番時間も労力もかかりません。
調停離婚 家庭裁判所の調停委員が男女一名ずつ間に入って話し合いをまとめる手伝いをしてくれます。月に一回程度家庭裁判所に行かなくてはなりません。
裁判離婚 いずれの方法も上手くいかなかった場合、裁判の場に離婚の問題を持ち込むことが可能です。
アドラー心理学によるカウンセリングでは主に協議離婚の場合の相談を伺うことが多いだろうと思います。離婚のお話しを法律以外の点でお手伝いできるだろうと思います。
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