お子さんが小学校の担任の先生から支援学級を勧められると、保護者の立場では強くショックを受けることもあるかもしれません。しかし、考えなくてはならないのはまず子どものことです。しなくてはならないのは動揺を鎮めて冷静になり、何が最善であるかを考え始めることではないでしょうか。
1. なぜ支援学級を勧められたのか
担任の先生が支援学級を提案するのは、お子さんの学習や学校生活の中で特別な配慮が必要だと判断したからです。決して「普通の学級では無理」と決めつけているわけではなく、お子さんにとってより適した環境を提案しています。
支援学級が勧められる理由として、以下のような状況が考えられます。
- 授業についていくのが難しい(理解が追いつかない、集中が続かないなど)
- 集団生活の中で困難を感じる(コミュニケーションが苦手、感情のコントロールが難しいなど)
- 個別の支援があれば、学びやすく、成長しやすい
支援学級は、お子さんの特性に応じた学習環境を整え、無理なく学べる場を提供するものです。
2. ショックを受けても、お子さんの状況は変わらない
支援学級を勧められたことにショックを受ける気持ちはよくわかります。しかし、冷静に考えてみると、「その提案を受けたからといって、お子さんの状況が変わるわけではない」ということに気づくはずです。
支援学級を勧められる前も後も、お子さんの状態は同じです。提案の有無にかかわらず、すでに支援を必要としている可能性が高いのです。
3. 本当に支援学級が適切なのか、専門家の判断を受ける
担任の先生の意見は大切ですが、最終的に支援学級が適しているかどうかは専門家の判断も参考にすべきです。必要に応じて、以下のような専門家に相談してみるとよいでしょう。
- 特別支援教育コーディネーター(学校内にいることが多い)
- 教育相談センター(自治体が設置)
- 発達支援センターや児童精神科(専門的な診断を受けられる)
専門家の評価を受けることで、
- お子さんの特性をより深く理解できる
- 必要な支援が何かを知ることができる
- 適切な学習環境を選ぶ手助けになる
といったメリットがあります。
4. 適切な支援を受けることの重要性
支援学級に行くことで、お子さんは以下のようなサポートを受けられます。
- 個別指導が受けられる(理解しやすいペースで学べる)
- 環境に配慮がある(静かな環境、少人数指導など)
- 自尊心を守れる(「できない」経験が少なくなる)
逆に、適切な支援を受けずに無理をすると、
- 学習についていけず、自尊心が傷つく
- 周囲との関係がうまくいかなくなる
- 不安やストレスが増え、二次的な問題が生じる(不登校、うつ症状など)
という可能性が考えられます。
お子さんの将来を考えると、今の段階で適切な支援を受けることは非常に大切です。
5. 将来的な進路と親の役割
支援学級に通うことは、お子さんの可能性を広げる選択の一つです。
- 小学校の支援学級から通常学級に移ることも可能
- 中学校、高校でも支援が受けられる制度がある
- 福祉制度を利用して、学習や生活のサポートを受けることができる
「普通学級に行かせたい」という気持ちに凝り固まって判断すると、善意のつもりでも将来の子どもの負担を増やしてしまうことになりかねません。
「支援学級=将来の選択肢が狭まる」と考えるのではなく、「お子さんに合った学び方をするためのサポート」と考えてみてください。
まとめ
支援学級を勧められると、親としては不安やショックを感じることもあるでしょう。しかし、大切なのは「お子さんにとって最善の環境を選ぶこと」、「進路を適切に選択すること」です。
- 支援学級を勧められたのには理由がある
- ショックの有無にかかわらず、お子さんの状況は変わらない
- 専門家の判断を受けることで、より正確な情報が得られる
- 適切な支援を受けることで、お子さんの自尊心を守ることができる
- 無視すると、将来の選択肢が狭まる可能性がある
特に進路の問題などは卒業間近になってから準備したのでは間に合わない選択肢も存在します。学校も十分に把握していない種類の課題についても考えなくてはなりません。
親の一時的な感情ではなく、お子さんの未来のために、冷静に情報を集め、適切な決断をしていきましょう。